
こんにちは、大林(プロフィールはこちら)です。
先日、妻が、「怒らない子育て」という講座を受講したそうで、その話を聞きました。
私自身、すごく勉強になることが多かったので、ここでご紹介しますね。
Contents
0歳~3歳の子供は、怒られたことを覚えていない!
実は、0歳~3歳くらいの子供は、「そもそも、怒られたことを覚えていない」そうです。
なぜかと言うと、「脳の記憶を司る部分(海馬)が発達していないから」だそうです。
海馬は、3歳頃から徐々に発達していきます。
(もちろん、個人差はあります)
極論すると、0歳~3歳くらいの子供は、怒られて泣いて30秒くらい経つと「あれ、なんで自分は泣いてるんだっけ?」くらいな感じなのです。
それくらい、子供の時というのは、記憶力が未発達なのです。
怒り方がどうとか、親子の信頼関係がどうとか、そういう問題ではないのです。
「何度言ったら分かるの!」は無意味だった
よく「何度言ったら分かるの!」と言って子供を叱ることってありますよね。
ただ、脳の仕組みから言うと、0歳~3歳くらいの子供には、「何度言っても分からない」のです。
だって、覚えていないのですから。笑
「繰り返し言っていれば分かる」というものではなく、「ある時から海馬が発達して、記憶できるようになったから、分かるようになる」が正解なのです。
図にすると、以下のような感じです。
私は、この脳の仕組みを知ってから「いろんな経験をしながら、いつか分かるようになるんだな」と大らかな気持ちでいられるようになりました。
結果、感情的になって子供を叱ることがなくなりました。
これは、私にとって、とても大きな気づきでした。
「しつけ」の前に「自己肯定感」を育もう
私が好きな本に「子育てハッピーアドバイス」というものがあります。
子育てに悩むママ・パパに、ぜひ読んでほしい本です。
この本の中で、「心の土台」という話が出てきます。
画像引用:http://www.happyadvice.jp/archives/11698
子供の心を育むには、次のような順番が大事なのです。
[table width=”100%” class=””]
[tablehead title=”年齢,大事にすること,例” icon=”#1,#2,#3,#4,#5″ caption=”ここをタップして表を表示” bgcolor=”#dddddd”]
[tablerow title=”0~3歳” icon=”” align=”center” width=”25%” class=”” bgcolor=”#dddddd”]
[tablecell align=”center” width=”25%” class=”” bgcolor=””]
「自己肯定感」
無条件の愛を注ぐ
[/tablecell]
[tablecell align=”left” width=”50%” class=”” bgcolor=””]
- ●●ちゃん、大好きだよ、愛してるよ
- ●●ちゃんが居てくれるだけで、とっても嬉しいよ
[/tablecell]
[/tablerow]
[tablerow title=”3~6歳” icon=”” align=”center” width=”” class=”” bgcolor=”#dddddd”]
[tablecell align=”center” width=”” class=”” bgcolor=”””]
「しつけ」
ルールを覚える
[/tablecell]
[tablecell align=”left” width=”” class=”” bgcolor=””]
- お友達を叩いたら痛いよね、ゴメンナサイだね。
- お友達も遊びたいから、順番に使おうね
[/tablecell]
[/tablerow]
[tablerow title=”6歳~” icon=”” align=”center” width=”” class=”” bgcolor=”#dddddd”]
[tablecell align=”center” width=”” class=”” bgcolor=””]
「勉強」
自発的に学び、成長していく
[/tablecell]
[tablecell align=”left” width=”” class=”” bgcolor=””]
- アレはなんだろう?コレはなんだろう?
- もっと知りたい!楽しい!
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[/tablerow]
[/tablehead]
[/table]
要するに、自己肯定感がない状態でしつけをしようとしたり、怒って叱って言うことを聞かせようとしても逆効果だ、ということです。
自己肯定感がない状態で怒っても、「自分なんて…」「どうせ何をやっても上手くいかない…」「いない方がマシ…」のように、子供のセルフイメージがどんどん傷ついてしまうのです。
怒らない環境を整えよう
怒っても覚えていないなら、最初から「怒らないで済む環境を整えておく」方が有意義です。
私は、妻からこの話を聞いて、以下のポイントを実践するようにしました。
(1)もし友達を叩きそうになったら?
子供は、自分のことで精一杯です。
自分が遊んでいたものを友達に取られてしまうと、叩いたり、噛んだりしてしまうこともありますよね。
そういう時には、親が気持ちを代弁してあげる(言葉にしてあげる)と効果的だそうです。
例えば、オモチャを取られてしまって、お友達を叩きそうになってしまった時。
親はすかさず、「あのオモチャで遊びたかったんだね、取られてイヤだったんだね」と声をかけてあげるのです。
こうすることで、子供は、「パパママは、自分の気持ちを分かってくれた」と感じて、自己肯定感が育まれます。
そして、あるタイミングで「言葉にすれば、叩いたり噛んだりしなくても、自分の気持ちを伝えられるんだ」ということを理解できるようになります。
(2)子供に触ってほしくないものは、置かない
仕事で使うものや、割れてしまうようなもの。
こういった「子供に触ってほしくないもの」は、最初から手の届かないところに置く。
たったこれだけで、トラブルが減るのでお勧めです。
(3)大人の方が余裕を持つ
精神的に余裕がなくて、焦っているときほど、怒りやすくなります。
0~3歳くらいの子供は、ハッキリ言って、宇宙人です。
さっきまで美味しそうに食べていたものを、いきなりペッ!ってすることも多々あります。
元気に歩いていたと思ったら、いきなりしゃがみ込んで、何の変哲もない雑草で遊び始めたりします。
言っても仕方ないので、大人の方が余裕を持つように心がけています。
これについては、この後も詳しくお話します。
親が感情的にならない方法×5
子育てに限らず、結局のところ、他人を変えたり、コントロールすることはできません。
変えられるのは自分だけであり、コントロールできるのも自分だけです。
であれば、自分の感情や行動をコントロールした方が、お互いにとって有益です。
(1)第一感情を深掘りする
子供にイライラした時には、「第一感情を深掘りする」ことをお勧めします。
これについては、以下のページで詳しく解説していますので、ご参照ください。
>> 子供にイライラした時の対処法。怒りの根っこを見つけよう
(2)朝イチでやるべきことを終わらせる
先ほど、「親の方が余裕を持つ」というお話をしました。
私は、余裕を持つために、朝イチでやるべきことを終わらせるようにしています。
例えば、以下のような感じです。
- 子供が起きてくる前に、その日のいちばん大事な仕事を終らせる
- 子供が起きてくる前に、出かける準備をする
このように、朝の時間を有効活用して、余裕を作るようにしました。
こうすると、もし子供がぐずったりしても、余裕を持って接することができます。
(3)寝る
睡眠不足になると、人間はイライラしやすくなります。
- 夜更かしせずに、早めに寝る
- 昼食後、15分ほど昼寝をする
このように、意識して睡眠時間を確保すると、気持ちもスッキリします。
(4)一人の時間を作る(子供から離れる)
一時的に、子供から離れる(一人になる)のも効果的です。
例えば、ファミリーサポートセンターというものを使うのも良いでしょう。
こういった地域の支えがあると、子育て中のパパママには、とても助かりますよね。
(5)深呼吸する
人間は、イライラしている時、呼吸が浅くなります。
これを解消すために、「あ、イライラしてる」と思ったら、深呼吸をすると効果的です。
効果的な深呼吸の手順は、以下の通りです。
- 1.まず、口から10秒くらいかけて、息を吐き出す
- 2.その後、鼻から5秒くらいかけて、深く息を吸い込む
- 3.5秒ほど息を止める
- これを3回繰り返す
深呼吸というと、最初は息を吸い込むイメージがありますが、まずは息を吐き出しましょう。
いきなり息を吸い込むところから始めると、肺が空気で一杯になり、力が入って、逆効果になることがあります。
口から吐いて、鼻から吸うことで、自然と腹式呼吸になります。
腹式呼吸になると、副交感神経(リラックスを司る神経)が働いて、イライラを鎮める効果があります。
子供の叱り方(注意の仕方、伝え方)
そうは言っても、どうしても子供がお友達を叩いてしまったりすることもありますよね。
ここでは、そういった時の叱り方(子供への伝え方)を解説します。
(手順1)共感する
子供は、悪気があるわけではありません。
例えば、お友達のオモチャをとってしまったり。
逆に、オモチャを取られてしまって、そのお友達を叩いてしまったり。
悪気があるのではなく、ただ単に「伝え方が分からないだけ」なのです。
そのため、まずは頭ごなしに怒るのではなく、「共感する」ことが大切です。
共感することで、「パパママは、自分のことを分かってくれている」と自己肯定感を育むことができます。
- そのオモチャで遊びたかったんだね
- オモチャを取られちゃって、悲しかったんだね
このように、まずは子供の気持ちに寄り添いましょう。
(手順2)理由を伝える
次に、「何がダメだったのか?」をちゃんと伝えましょう。
子供は、意外なほど物事を理解できています。
(それが記憶に定着するかは、最初にお話したように、海馬の影響もあるので、すぐに覚えられるわけではありませんが、その瞬間は理解しているのです)
ですので、感情的にならずに、「今、何がダメだったのか?」の理由をちゃんと伝えましょう。
- お友達が先に遊んでたから、取っちゃったらお友達は悲しいよね。
- お友達を叩いちゃったら、痛い痛いだよね。かわいそうだよね。
このように、理由をちゃんと伝えます。
(手順3)肯定形で、「どうすべきだったのか?」を伝える
人間の脳は、否定表現に上手く対応できません。
例えば、「ピンクの象を思い浮かべないで下さい」と言われると、あなたはきっと、ピンクの象を思い浮かべてしまうと思います。
このように、否定表現をされても、逆にそれをしてしまうのが、人間の脳なのです。
ですので、子供に伝える時も、否定表現だと、逆に誤った行動を加速させてしまうことになります。
例えば、「走っちゃダメだよ」と伝えると、子供は走ります。笑
そうではなく、「ゆっくり歩こうね」と伝えると、子供はスムーズに理解でき、歩くようになります。
- 「叩いちゃダメだよ」ではなく、「順番こで遊ぼうね」
- 「取っちゃダメだよ」ではなく、「次からは、かーしーて?って言ってみようね」
このように、肯定形で伝えてあげると、子供はスムーズに理解でき、行動に移せるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
脳の仕組みが分かっていると、「怒り方・叱り方の問題ではない」ということが腑に落ちますよね。
私も、妻からこの話を聞いて、あらためて自分の子供に対する接し方を見直す機会を持てました。
参考になれば幸いです。