
こんにちは、大林(プロフィールはこちら)です。
「子供の個性を伸ばしたい」
「ノビノビと育ってほしい」
親になると、子供の教育に興味が出てくると共に、いろいろな悩みも出てきますよね。
今日は、子供の個性を伸ばすポイントについて解説します。
Contents
悲報。親が子供の個性を潰していた事例
先日、「子供の個性を伸ばす」がウリの子ども園に、見学に行ってきました。
※例として、子ども園(保育園・幼稚園)を挙げますが、小学校・中学校・高校にも同じ話が当てはまると思います。
学園長さんが、子ども園の方針を一通り説明して下さった後。
保護者からの質問タイムがあったのですが…。
そこで違和感を感じる出来事があったのです。
どういうことか?
と言いますと…
学園長の説明の後、保護者からの質問タイム
子ども園の説明会に来ているくらいですから、参加している保護者の方も、皆さんお子さんの教育のことを熱心に考えている方ばかりです。
その中で、保護者の方から、以下のような質問が出ていました。
[talk words=”教育の時間には、どんなカリキュラムを用意してくれているんですか?” avatarimg=”https://passion-class.com/wp-content/uploads/2018/10/personality-woman.png” name=”保護者1” align=r]
[talk words=他の園では、英語の時間があったりしますが、この園ではどうなんですか? avatarimg=”https://passion-class.com/wp-content/uploads/2018/10/personality-woman.png” name=”保護者2” align=r]
こういった質問に対して、学園長さんは、以下のように回答していました。
[talk words=”その日その日に何をするのか?は、子供たちを見て決めていきます。
なので、今は具体的に「これをします」とは、正直言えないのです。
子供たち次第なんです。” avatarimg=”https://passion-class.com/wp-content/uploads/2018/10/personality-teacher.png” name=”子ども園の学園長さん” align=l]
この回答を聞いた保護者の方は、「分かりました」と返事はしていましたが、なんだかしっくりこないような顔をしていました。
会場全体も、なんだかモヤモヤしたような顔。
この違和感はなんだろう?と考えてみたら、実はこういうことだったのです。
違和感の正体は、「与えるか?引き出すか?」の違いだった
結局のところ、保護者側の質問はすべて、「子ども園では、子供に何を与えてくれるんですか?」という質問だったのです。
それに対して子ども園側は、こう言いたかったのだろうと思います。
[talk words=”基本的に、子供に与えるものは、何もありません。
子供は、自分の成長に必要なものは、すべて持っているのです。
それを引き出すのが、子ども園の役割なのです。” avatarimg=”https://passion-class.com/wp-content/uploads/2018/10/personality-teacher.png” name=”子ども園側の意見(推測)” align=l]
親は、子供の成長を願うあまり、無意識に「何を与えてくれるか?」を重視している。
一方、その子ども園は、与えるのではなく、「子供が本来持っている可能性を引き出す」ことを重視している。
この違いが、会場のモヤモヤ感を生んでいたのです。
そもそも、教育の語源は「引き出す」
「教育」という言葉の語源を調べてみると、次のように書かれています。
「英語: education」や「フランス語: education」は、ラテン語: ducere(連れ出す・外に導き出す)という語に由来することから、「教育とは、人の持つ諸能力を引き出すこと」とする。
(ウィキペディア参照)
つまり、教育の語源は「与える」ではなく、「引き出す」なのです。
この出来事を通じて、私自身もハッとしました。
子供の個性を伸ばしたい!と思っている一方で、無意識に「何を与えてくれるのか?」ばかり気にしてしまっていたな、と。
私はこのことに気付いて、この子ども園のことが好きになりました。
では、「しつけ」はどうするのか?
こういう話をすると、次のような不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
「落ち着きのない子になってしまうのでは?」
「お返事もできない子になってしまうのでは?」
確かに、こういった”しつけ”は、大事なことですよね。
でも、大丈夫です。
安心して下さい。
実は、大事なのは「順番」だったのです。
どういうことか?と言いますと…
集団を作るために「個」がいるんじゃない
その学園長さんは、こんな話をしていました。
[talk words=”集団を作るために「個」がいるのではないのです。
「個」が伸びることで、自立した集団ができるのです。” avatarimg=”https://passion-class.com/wp-content/uploads/2018/10/personality-teacher.png” name=”子ども園の学園長さん” align=l]
つまり、「集団に合うような子供を育てる」のではないのです。
まず個を尊重し、個が伸びていく。
すると、しつけや勉強などを受け入れる素養が、自然とできていく。
その結果として、自立した集団ができる。
順番としては、まず「個」ありき、なのだと感じました。
余談ですが、私が好きな本である「子育てハッピーアドバイス」でも、「心の土台」という話が出ていました。
画像引用:http://www.happyadvice.jp/archives/11698
[table width=”100%” class=””]
[tablehead title=”年齢,大事にすること,例” icon=”#1,#2,#3,#4,#5″ caption=”ここをタップして表を表示” bgcolor=”#dddddd”]
[tablerow title=”0~3歳” icon=”” align=”center” width=”25%” class=”” bgcolor=”#dddddd”]
[tablecell align=”center” width=”25%” class=”” bgcolor=””]
「自己肯定感」
無条件の愛を注ぐ
[/tablecell]
[tablecell align=”left” width=”50%” class=”” bgcolor=””]
- ●●ちゃん、大好きだよ、愛してるよ
- ●●ちゃんが居てくれるだけで、とっても嬉しいよ
[/tablecell]
[/tablerow]
[tablerow title=”3~6歳” icon=”” align=”center” width=”” class=”” bgcolor=”#dddddd”]
[tablecell align=”center” width=”” class=”” bgcolor=”””]
「しつけ」
ルールを覚える
[/tablecell]
[tablecell align=”left” width=”” class=”” bgcolor=””]
- お友達を叩いたら痛いよね、ゴメンナサイだね。
- お友達も遊びたいから、順番に使おうね
[/tablecell]
[/tablerow]
[tablerow title=”6歳~” icon=”” align=”center” width=”” class=”” bgcolor=”#dddddd”]
[tablecell align=”center” width=”” class=”” bgcolor=””]
「勉強」
自発的に学び、成長していく
[/tablecell]
[tablecell align=”left” width=”” class=”” bgcolor=””]
- アレはなんだろう?コレはなんだろう?
- もっと知りたい!楽しい!
[/tablecell]
[/tablerow]
[/tablehead]
[/table]
最初に、個を認める。
承認する。
無条件の愛を注ぐ。
そうやって、自己肯定感が育まれていきます。
それが、しつけや勉強を支える土台になるのです。
いつから教育は「与える」ことになってしまったのか?
では、いつから教育は、「与える」ことを重視するようになったのか?
その発端は、プロイセン教育にあると言われています。
簡単に解説しますね。
現代の教育のお手本は「兵隊を育てる教育」
現代の教育のお手本は「プロイセン教育」だと言われています。
1819年ごろ。
プロイセン(今で言うドイツ)では、富国強兵のために、プロイセン教育が作られました。
これは言ってみれば、「強い兵隊を育てるための教育」です。
集団生活に慣れさせ、皆と同じことができるようにする。
まっすぐ並ぶ、はい!と言える、命令に従える。
こういった、従順で従属的な人間を育てるために作られたのが、プロイセン教育です。
この教育も、確かに効果はあります。
決まったことを決まったカリキュラムで与えていくので、効率がいいのです。
結果、プロイセンの富国強兵の政策は、上手くいきました。
しかし、個性は排除されました。
個性は、集団を乱すので、効率が悪いと見なされたのです。
結果的に、個性を消した、命令に従う軍隊ができあがりました。
これが、先進国の教育のベースになっているのです。
それ以前の教育は、もっと自由だった
プロイセン教育より前の教育は、もっと自由でした。
例えば、紀元前のギリシャ。
アリストテレスやソクラテス、デモクリトスといった優秀な学者が、次々と生まれました。
彼らは、自由な議論の中で、個々に興味を持ったことを追求していきました。
その結果、現代ほどの科学技術が発達していないのに、以下のような数々の大発見をしています。
- デモクリトス:「物質は小さな粒が集まってできているんじゃないか?」⇒原子論を考えだした
- アリストテレス:「地球は、実は平面じゃなくて、球体なんじゃないだろうか?」⇒天体論をまとめあげた。
この時代は、顕微鏡もなければ、望遠鏡もありません。
彼らは、興味を追求し続けたことで、これらの結論を導き出したのです。
このように、興味をベースにした教育は、大きな成果につながっていくのです。
子供の個性を伸ばすために、親が果たす5つの役割
(1)大事なのは、「子供を観察すること」
個性を伸ばす教育という点で、よく注目されるのが、モンテッソーリ教育です。
モンテッソーリ教育では、「子供を観察すること」を強く進めています。
- 子供が、何に興味を持っているのか?
- どんなことに、時間も忘れて黙々と取り組んでいるのか?
- 子供の顔がパッと輝く瞬間は、いつなのか?
こういったことを、大人が観察する。
そして、子供の興味を見つけたら、それを引き出せるようにサポートする。
大人がすべきことは、与えることではなく、興味を見つけ、それを引き出すサポートをすることなのです。
(2)大人がやるべきは、「環境を整えること」
先ほど、「子供の興味を見つけ、それを引き出すサポートをする」と言いました。
そのサポートとは、「環境を整えること」です。
- 教具を用意する
- 遊び方を教える
- いろいろな人と関わる機会を用意する(コミュニケーションの中で成長していきます)
こうやって、環境を用意することが、大人がすべきことです。
子供は、自分で成長する力を持っています。
余計な手出しを刷る必要はないのです。
(3)答えをすぐに教えない。「待つ」大切さ
大人は、とかく子供に手出ししすぎてしまう傾向があります。
子供を愛してのことなのですが、「待つ」ことも大切です。
自分で答えを見つけたり、気付きを得ると、それは一生の宝物になります。
(4)「否定しない」子供の個性を受け入れる
大人は、自分の理想を、無意識に子供に求めてしまうことがあります。
また、子供が想定していない方向に進み始めると、大人は不安になります。
しかし、そこで子供を否定せず、受け入れましょう。
例えば、子供がお絵かきに夢中になっているとします。
来る日も来る日もお絵かきばかり。
大人としては、これを見て「芸術はお金にならないよなぁ。英語を習わせたほうが役立つよなぁ」と思って、お絵かきを取り上げてしまうのは、その子を否定していることになります。
子供の興味をそのまま受け入れ、それを伸ばしてあげましょう。
(5)子供は親の所有物ではない。一人の人間として「尊重する」
子供は、親から生まれてきます。
しかし、子供は、親の所有物ではありません。
一人の人間であり、個性があります。
親とは違うことに興味を持ったり、違う道を進みたいと言い出すこともあるでしょう。
そういった時は、子供を信頼して、歩ませましょう。
極論すれば、子供の人生は、子供自身が責任を持てばいいのです。
人間は誰しも、自分の人生に責任を持っています。
責任をもつからこそ、自立し、成長していけるのです。
まとめ:子供は誰でも天才である
私が好きな言葉に、こんなものがあります。
天才とは、蝶を追っていつのまにか山頂に登っている少年である。
~ジョン・スタインベック(アメリカの作家)~
子供は、誰でも天才です。
天才とは、一握りの人間だけのことを指すのではありません。
天才とは、「自分が熱中できるものを見つけ、夢中で取り組んでいる内に、才能を開花させてしまう人」のことです。
そういった意味で、誰でも天才なのです。
子供は、成長する力があって、すでに全てを持っているのです。
大人は、その子の個性・興味を観察して、それを伸ばせるようにサポートする。
これが、真の意味での教育なんだと感じます。
近年、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育、ギフテッド教育、サドベリーバレースクールなど、個性に着目した教育方針が注目されてきています。
実際、以下のような有名人も、これらの教育を受けています。
- ラリー・ページ(Google創業者)
- セルゲイ・ブリン(Google創業者)
- ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)
- ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
- マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)
- ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創業者)
- ジョージ・クルーニー(アカデミー賞俳優)
- アンネ・フランク(アンネの日記)
- ヨーヨー・マ(世界的なチェロ演奏者)
- ウィリアム王子、ヘンリー王子(イギリス王室)
- 村上虹郎(俳優)
シュタイナー教育
- 斎藤工(俳優)
子供を持つ親として、こういった教育が、日本でもどんどん広がるといいなぁ、と思います^^
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